2010年2月25日木曜日

OOP演習(2)教材企画書

  • 教材設計マニュアル資料2「教材企画書の書き方」(p.164-165)を見ながら,学習目標「構造化できる」の教材企画書を書いてみました(学習目標の全体像はこちら)が,途中で詰まってしまいました.
  • 行き詰まった原因は,教材のイメージがまだアイデアレベルで具体的ではないからです.具体的なイメージを思い描けない根源的な理由は,教材の4条件の1つ「自分がよく知っている内容/よくできることか?」を完全には満たしていないからだと分析しました.その結果,学習目標やテストの具体的なイメージが思い描けないのです.
  • この教材は根幹的で重要な位置づけなのに対し,上記のように開発のリスクが高いので,早めに対策を練る必要があります.



OOP演習(2)


教材のタイトルと内容
ソフトウェア設計の原理・原則を理解しよう!
ソフトウェア設計で普遍的に用いられる6つの原理・原則(SWEBOK 2004)を UML のイメージとして理解する.

  • 抽象化(Abstraction)
  • 相互結合と凝集強度(Coupling and cohesion)
  • 分割とモジュール化(Decomposition and modularization)
  • カプセル化・情報隠蔽(Encapsulation/information hiding)
  • インタフェースと実現の分離(Separation of interface and implementation)
  • 十分性,完全性,および基本性(Sufficiency, completeness and primitiveness) 

対象者集団
次のことを学習済みの大学生・大学院生もしくは社会人

  1. UML の基本的な図(ユースケース図,クラス図,状態機械図,シーケンス図,アクティビティ図)の文法を理解している.
  2. 簡単な UML の図(同上)を書ける.

内容選択の理由

  1. 自分がよく知っている内容/よくできることか?
    • 次の問題がある.
      • おおむね理解しているが, 細かいところで再確認したい点がある.SWEBOK 2004 に挙がっている文献を調べ,場合によっては内容について技術者と議論する必要がある.
      • 原理・原則を体現する UML 図を考案する必要がある.
  2. 教材作りの協力者が得られるか?
    • 新たに研究室に配属された新4年生5名に協力してもらう.
    • 事前テストの結果次第では新M1の4名にも協力してもらえる可能性がある.
    • 場合によっては学生モニターを公募することも可能だろう. 
  3. 短時間で学習できるか?
    • 何をもって理解したとするかによる.言葉を覚えるだけならば短時間で学習できる.適切な UML 図を提供すれば直観的に意味を理解することもできるかもしれない.しかし,実際に知識を適用してモデリングに応用することまで求めるのは一朝一夕にはできないと思われる.このテーマは実に奥が深いので,開発現場の技術者でも徹底的に追求するのは難しい現状があるからである.
    • 上記の理由から,学習目標をよく検討して細分化する必要がある.
  4. 個別学習教材で,教材が「独り立ち」できるか?
    • 原理・原則をいかにブレークダウンして体系化するか,どのようにテストを自己採点できるようにするかが鍵である.たとえば原理・原則がチェックリストのような形で提供でき,その基準にしたがってテストを自己採点できるならば,教材が独り立ちできる.

学習目標と目標の性質

事前事後テスト

教材利用者の前提条件とそのチェック方法

  1. クラス図,状態機械図,シーケンス図,アクティビティ図の図形要素の名称を知っている必要がある.これらの図形要素に提示し,その名称を選択肢から選ばせる.全問正解すること.この前提テストは,OOP演習(1)の前提テスト1と同一である.
  2. クラス図,状態機械図,シーケンス図,アクティビティ図の書き方を知っている必要がある.簡単な例題を与えて,これらの図を書かせる.それらしい図が書けていればよい(基準を明確にする必要がある).

報告書作成者名と点検者名

  • 作成者: 山崎 進
  • 点検者: 未定