「反転授業の研究」の田原真人さんからインタビューを受けました。ソフトウェア工学概論などIDに基づく反転授業の実践事例を,私が自分で紹介するよりとても伝わりやすく紹介いただけました。
http://flipped-class.net/wp/反転授業オンライン勉強会/北九州私立大学の山崎進さんにスカイプインタビ/
昨年のランチョンセミナーの資料を元に紹介しました(下記)。
http://zacky-sel.blogspot.jp/2013/02/luncheonSeminar20130301.html
反転授業の研究の Facebook グループはこちらです。
https://www.facebook.com/groups/hanten/
2014年1月28日火曜日
2013年10月30日水曜日
2013年10月18日金曜日
教育理念: まとめ
- 主体的な学びを促進する場をつくる
ただ受動的に教わるよりも自ら進んで学ぶ方が何倍も教育効果は高いです.しかし,自主性に任せると称し実態としてただ放置することがしばしば行われますが,それでは,なかなか自ら学ぶようにならないものです.主体的な学びを促進するためには,学びやすい場を設計することが大事です.私たちは,主体的な学びに関する教育研究の最新成果を取り入れて,授業や研究室で主体的な学びの場づくりを行います.
- 個性に応じて適切な学びの機会を与える
入学試験や企業の採用活動において,最初から優秀な学生を厳選して採りたいと思っている人は多いでしょう.しかし私の経験からは,一見優秀でないように見える学生であっても,適切な学びの機会を与えることで,めきめきと実力をつけて見違えるように成長することがしばしばあると主張します.大事なのは,どのような学びの機会を与えればいいか,学生の個性をよく見て個別指導することです.私たちは,学生の個性を見極め,個性に応じた学びの機会を与える指導を行います.
- 現実社会の中から問題を抽出して解決する経験を積ませる
学生が社会に出るとさまざまな問題に直面します.それらの問題の多くは,1つの模範解答があるとは限らない複雑な問題です.業務の中で大小様々な問題を解決していくことが求められます.問題解決能力を高めるには,最初は簡単な応用問題から始め,徐々に複雑で現実的な問題に取り組む訓練を積むことが大事です.また,複雑な事象の中から本質的な問題が何なのかを抽出する訓練も必要です.私たちは,そのような問題の発見と解決を繰り返し訓練する機会を学生に与えます.
- レビューを重視する
実践的な知識や経験を蓄えるのに最も効果が高い方法は何でしょうか.私たちは,プログラミングではコードレビューが地道ではあるが最も教育効果が高いという結論に達しました.コードレビューは,学生が書いたプログラムについて,どうしてこのようにプログラミングしたのか意図を問いながら,プログラミングの妥当性を議論することを中心に行います.レビューを中心とした指導方法は,起業家育成に欠かせないビジネスモデリングにおいても有効だと私たちは信じています.私たちは,プログラミングやビジネスモデリングのレビューを中心とした実践的な指導を行います.
- 自ら学ぶ力を習得させる
技術や社会環境は急速に進化するので,陳腐化も早くなってしまいます.そのような状況では,一旦学んだら終わりではなく,常に学び続ける姿勢を身につけることが求められます.また,整備された教材が常に用意されているとは限りません.適切な指導者もいないかもしれません.いつかは独り立ちしなければならない,それが宿命です.私たちは,教材がなく指導者がいない状態でも,自力で学び続けることができるように学生を育て上げます.
ラベル:
教育,
教育理念,
個性に合わせた伸ばす教育
2013年10月14日月曜日
教育理念: 自ら学ぶ力を習得させる
技術や社会環境は急速に進化するので,陳腐化も早くなってしまいます.ご存知のように IT や IT を利用したビジネスは,どちらも最も急速に進化して陳腐化する分野の1つです.
そのような状況では,一旦学んだら終わりではなく,常に学び続ける姿勢を身につけることが求められます.次から次へと出てくる新しいことを意欲的にかつスピード感を持って学習し続けられることが,ITに関わる人に最も求められる資質だと言っても過言ではないでしょう.
また,整備された教材が常に用意されているとは限りません.整備された教材自体は悪いことではありません.しかし,整備された教材が無いと学習できない状態,すなわち依存している状態は健全ではありません.世の中には,とても読みにくいドキュメントしか無い状況というのはよくあることです.ドキュメントがあるだけマシかもしれません.自ら試行錯誤した経験の中から,何かを学び取っていくことが求められるかもしれません.
適切な指導者もいないかもしれません.寡黙で厳しい昔ながらの職人気質の先輩の背中を見て学ばなくてはならない状況もあり得ます.教材と同じ意味で,いつでも誰かが優しく易しく教えてくれると思ってはいけないのです.
いつかは独り立ちしなければならない,それが宿命です.多くの教育者や教育機関,教材は,つい,手取り足取り丁寧に教えてしまいがちです.たしかにそのことによって学習の効果・効率・魅力は上がるでしょう.しかし,社会に出たらそんな状況はあり得ません.最初は丁寧に教えるとしても,いつかは独り立ちすることを前提に段階を踏んで鍛えていかなくてはならないのです.もしそうしないのだとしたら,常にやさしい教育をしつづけなければならないでしょう.それは「教育中毒」にしているのと一緒です.学生を教育中毒にすれば,教育ビジネスとしては美味しいかもしれません.しかし,それではダメなんだと私たちは断言します.
いったん自力で学ぶことができるようになったら,学び続けるサイクルを習慣づけるようにしていきます.その段階になったら,必要な情報を自分で集めて学び取ることができるようになるでしょう.教師と学習者が対等な立場で情報交換するように学び合うのが理想です.
私たちは,教材がなく指導者がいない状態でも,自力で学び続けることができるように学生を育て上げます.
ラベル:
教育,
教育理念,
個性に合わせた伸ばす教育
2013年9月16日月曜日
教育理念: レビューを重視する
実践的な知識や経験を蓄えるのに最も効果が高い方法は何でしょうか.私たちは,プログラミングではコードレビューが地道ではあるが最も教育効果が高いという結論に達しました.コードレビューは,学生が書いたプログラムについて,どうしてこのようにプログラミングしたのか意図を問いながら,プログラミングの妥当性を議論することを中心に行います.
コードレビューの教育効果が高い理由はいくつかあります.
- コードレビューを通して教授された知識は,学生が自ら経験したことの延長線上にあることなので,身近で理解しやすく意欲も高まります.ただ聞くだけの講義より自ら考え手を動かす演習のほうが学習内容が定着しやすくなるのと同じ理由です.
- コードレビューでプログラミングの意図について答えることは,プログラミングを通して行った経験を振り返ることなので,学生が経験から学びを得ることに直結します.経験とふりかえりを対で行うことは,経験学習の観点から有効です.
- コードレビューを行うことは,学生の演習結果に対して適切なフィードバックを与えることなので,自分自身のプログラミングの良し悪しを即座に学ぶことができます.スポーツで鏡やビデオを見ながら自分のフォームを確認することと同じような学習効果が得られます.
- コードレビューは個別指導でもあるので,学生の理解度や習熟度に合った適切な指導を行いやすく学習効果が高まります.家庭教師や個別指導塾のことを考えれば,一斉講義よりも個別指導のほうが学習効果が高いのは納得いただけるでしょう.
もちろん,コードレビューには時間も手間もかかります.そこで,私たちはコードレビューの効率を高める様々な工夫を考えて実施しています.たとえば,上級生が下級生のコードレビューを行うことは,下級生はもちろん上級生もコードレビューを通して学ぶことができます.
レビューを中心とした指導方法は,起業家育成に欠かせないビジネスモデリングにおいても有効だと私たちは信じています.そこで,学生が書いたビジネスモデルを学生同士や教員,社会人の視点から数多くレビューする機会を設けています.
私たちは,プログラミングやビジネスモデリングのレビューを中心とした実践的な指導を行います.
ラベル:
教育,
教育理念,
個性に合わせた伸ばす教育
2013年9月8日日曜日
教育理念: 現実社会の中から問題を抽出して解決する経験を積ませる
学生が社会に出るとさまざまな問題に直面します.社会全体の問題かもしれませんし,日々の業務の中で直面するような問題かもしれません.
それらの問題の多くは,1つの模範解答があるとは限らない複雑な問題です.一方,日本の受験で扱われる問題は,ただ1つの模範解答があることが通例です.しかし,ただ1つの模範解答があるような問題に慣れきっていると,現実の模範解答があるとは限らない問題に対処することができなくなるものです.そのため,受験勉強の思考パターンから意識を変えていく必要があります.
社会人は業務の中で大小様々な問題を解決していくことが求められます.すぐに解決できそうにない場合には,解決方法や解決できそうな人が既に存在するのか探すこともあるでしょう.いわゆる「デキる人」とは,様々な問題に柔軟に対処できる人ということでしょう.社会から学生に対して,そのような人になることが期待されています.
問題解決能力を高めるには,最初は簡単な応用問題から始め,徐々に複雑で現実的な問題に取り組む訓練を積むことが大事です.
解決方法が見出されていない未知の問題であっても,それを解決の方向に近づける定石が存在します.実は大学で行う研究活動の多くは,このような解決方法が見出されていない問題に取り組むためにも使えるのです.たとえば,研究活動の一環として書籍や論文を探したり読んだりします.これは問題に対して,既に知られている解決方法の中で有用なものはないか探すことに応用できます.
大学の研究室では,しばしばこのようなノウハウを口伝のように伝えているものですが,それでは効率的ではありません.世の中には,研究活動そのものをより良く行う方法についての研究が存在します.このような「研究活動についての研究」をメタ研究といいます.問題解決能力を効率的に高めるには,このようなメタ研究の成果を利用して,問題解決の定石を場当たり的ではなくきちんと体系立てて習得することが大切です.
問題解決の定石を学んだあとでは,簡単な問題から徐々に複雑な問題に取り組む訓練を積むことで,問題解決能力を高めることができます.よくある Project-Based Learning (PBL) や On-the-Job Training (OJT) では,このような訓練をせずに実践しか行わないことがしばしばありますが,それでは効果も効率も高まりません.私は,研究指導でも大人数授業でも,そのような訓練を盛り込んでいます.
また,複雑な事象の中から本質的な問題が何なのかを抽出する訓練も必要です.問題の本質を見出すことができれば,抜本的に解決できる可能性が高まります.一般に言われているように,的確に問題の本質を抽出するには,ある程度センスも必要かもしれません.しかし,私たちは,日々問題の本質を考える訓練を積むことで,問題の本質を抽出する能力を向上できると考えます.たとえば,似たようなパターンの中から共通の要素を見つける訓練を,プログラミングなどの実務に近い状況で行うことは,問題の本質を抽出する能力を高めるのに有効だと考えています.私の研究室指導では,こういった問題抽出の訓練を,レビュー活動や日々の活動のふりかえりに取り入れています.
私たちは,そのような問題の発見と解決を繰り返し訓練する機会を学生に与えます.
ラベル:
教育,
教育理念,
個性に合わせた伸ばす教育
2013年8月31日土曜日
教育理念: 個性に応じて適切な学びの機会を与える
入学試験や企業の採用活動において,最初から優秀な学生を厳選して採りたいと思っている人は多いでしょう.
最初から優秀な学生を採っておけば,教育や研修の手間を省くことができます.その上,研究や業務の成果を早く確実に上げられるかもしれません.楽に成果を上げられるのであれば,言うことはないでしょう.
しかし私の経験からは,一見優秀でないように見える学生であっても,適切な学びの機会を与えることで,めきめきと実力をつけて見違えるように成長することがしばしばあると主張します.
たとえば,かつて成績がよくない学生が私の研究室を希望したことがあります.その学生によくよく話を聞いてみると,大学の授業に関心を持てなかったこと,自分の趣味に夢中に打ち込んでいたことなど,話してくれました.私は,勉強そっちのけで寝る間を惜しんで趣味に打ち込むような学生は,適切な動機づけと,いつでもアクセスできる学びの場を与えさえすれば,後は勝手に伸びていくだろうと判断して,その学生を採用しました.そして,私の研究テーマの範囲内で,その学生の興味を持ちそうな分野やテーマを辛抱強く提案し続けました.幸い,ほどなく学生が強く関心をもつテーマが見つかりました.その後,その学生は私が細かく指導しなくても勝手に研究し続けて,結果として驚くほど成長しました.
成績の良い別の学生は,それはそれで悩みがありました.どの授業もたいてい良い成績をおさめるので,かえって自分の強みが何なのか,絞りきれていませんでした.私が見たところ,その学生はまず積極的で素直だったので,技術者のコミュニティに参加させることにしました.その学生は色々な方々から可愛がられ,大いに刺激になったようです.しかし,そのうち壁に突き当たります.私はその学生に悩む時間を与えました.ついにはその学生は自分自身の進路を自力で切りひらきました.
1つ言えることは,学校の成績と社会で求められる技能の間に相関があまりないことでしょう.考えて見れば当たり前で,学校の成績は主として暗記したことをそのまま繰り返す能力だけしか評価していないことが多いです(残念ながら).それは学生の能力の一面を捉えることはできますが,それで全てではないというだけのことです.そもそも学校の成績だけを元にして学生の能力を分類することに無理があるのです.
そして,もう1つは私の経験から,引き出し方次第で学生が潜在能力を発揮できるものだということです.その例のいくつかは先ほど示しました.さらに具体的なアプローチを後で述べます.
この2つの理由により,一見優秀でなくとも,学びの与え方次第で成長させられる可能性が大いにあると改めて主張します.
大事なのは,どのような学びの機会を与えればいいか,学生の個性をよく見て個別指導することです.
研究室での指導では,研究テーマを学生に押し付けることはしません.たとえば学生に社会で将来どういう活躍をしたいかを自由に思い描かせます.そこからキーワードや個性を見出し,興味を持ちそうなトピックを提案します.興味や得意が見いだせない学生に対しては,とりあえず何かを作らせ,その様子を観察して適性を見極めることもあります.場合によっては心理学に基づく性格診断テストを使うこともあります.学生にじっくり考えさせるべき時には,こちらも焦らずじっくり待ちます.将来どうなりたいという方向性と,その学生のスタイルが見えてくれば,しめたものです.あとは適切なテーマと素材を与えれば,細かく指示しなくても勝手に研究が進みます.
たとえ大人数の授業であっても,個別指導を取り入れられないかを常に考えています.学生には能力差があるものなので,どんな授業でも,早く習得する学生となかなか習得できない学生が混在します.大事なことはその現実を受け入れることです.この問題に対する切り札は「自習可能な教材」です.一斉講義を最小限にして,自習可能な教材を与えて演習する時間を多く取ります.一斉講義をしない代わりに学生が演習している様子をよく観察し,早く習得した学生には適切な発展的な題材を与え,なかなか習得できない学生には個別にフォローアップをします.授業を通して学生が感じたことを収集し,フォローアップや今後の教材の改良,方向性の調整に生かします.それによって理想的な完全習得学習を実現できます.
私たちは,学生の個性を見極め,個性に応じた学びの機会を与える指導を行います.
ラベル:
教育,
教育理念,
個性に合わせた伸ばす教育
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