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2013年8月2日金曜日

博士号のとり方


社会人(ソフトウェア開発の実務家)が博士論文を書くときのコツは,いかに最小限の内容にするか,だと思います.社会人になると欲張りになって「あれもこれも」と盛り込もうとして収拾がつかなくなって年限オーバーということになりがちです.「引き算」です.一番大事な本質的な問い(リサーチクエッション)をいかに絞り込むかが勝負だと思います.


リサーチクエッションがある程度絞れたら,それを「仮説」「軸」として既存研究をサーベイします.似たようなテーマの研究を分類する「軸」を提案するようなサーベイ論文は,とてもわかりやすく有用です.

サーベイを終えると,何を自分がなすべきかが見えてきます.空白域になっているような領域があるかもしれません.また,軸の全体を統合するような方法論が不在かもしれません.理論が整っていない,あるいは逆に実践を伴っていないような領域があるかもしれません.そこが狙い目だと思います.最初にも述べた通り,博士論文は最小限の内容にするよう心がけるのが大事です.次の記事も参考にしてください.

ソフトウェア工学実践研究において「巨人の肩に乗る」ということ
http://zacky-sel.blogspot.jp/2013/01/blog-post_10.html

私の博士論文はダメダメだったんですが,その後ヨーロッパを中心に行われている「研究方法の研究(メタ研究)」を調べたり,実際に書かれた博士論文をいろいろ読んでみて,こうするべきだったんだということが後でわかった次第です.

博士号を取ろうとするすべての人に,まずは次の書籍を薦めます.





http://www.amazon.co.jp/gp/product/4990455509/ref=as_li_ss_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=7399&creativeASIN=4990455509&linkCode=as2&tag=zacky1972-22

2013年1月16日水曜日

惰丸(ダマル)日記 第1章〜「スタンフォードの自分を変える教室」を実践してみた

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この1週間,「スタンフォードの自分を変える教室」を読みながら実践しました。


この本は,目標を確実に達成するための,科学(心理学・生理学)的に有効性が示されている方法を紹介しています。

本に書かれていたことの中で,この1週間で特に有効だったメソッドを挙げていきます。

  1. 達成すべき目標を1つに絞り込んで明確にしたこと。私の場合は,他にもいろいろ達成したい目標はありますが,目下の小目標である論文執筆にフォーカスしました。目標を絞り込んだおかげで余裕が生まれ,客観的かつ冷静に取り組めたのがよかったのだと思います。
  2. 目標達成を妨げる自己に「惰丸(ダマル)」と名付け,「仮想敵」としたこと。これが一番効果あったかもしれません。自己を責める心情ではなく,外敵をやっつけるのだという心情になることによって,そうとう気持ちが楽になりました。
  3. 「惰丸(ダマル)」が現れる状況はどんな時か,日々振り返ったこと。これによって,目標達成を妨げる原因を特定し,具体的な対応策を考えることが可能になりました。
  4. 「惰丸(ダマル)」に負けそうになった時に,深呼吸したあと小さなタスクから取り組みなおしたこと。目標達成をおろそかにする衝動的な気分になってしまうことは日々の活動の中で頻繁に起こりえますが,深呼吸すると意欲が生まれます。また小さなタスクから取り組むとペースを取り戻しやすくなります。
  5. 極度に疲労しないように調整したこと。体力・気力が削がれると意欲も極端に落ちます。

惰丸(ダマル)日記の第1章は終わりましたが,論文はまだまだ書かなければならないですし,ほかにもやるべきこと,やめるべきこと,意志を貫きたいことはたくさんあります。この本に書かれているメソッドが無意識の習慣になるまで,惰丸(ダマル)日記を続けていきたいと思います。

惰丸(ダマル)日記 第1回

「スタンフォードの自分を変える教室」を読んで実践していく過程を記録しようと思います。

直近の最大の目標は「論文誌に乗るレベルの論文を投稿しまくる」です。お恥ずかしい話ですが,このまま論文の業績を出さないと大学教員でいつづけることができなくなってしまうのです。

第1章によると,対立する2つの自己(賢い自分,衝動的な自分)を意識し,衝動的な自分の方にあだ名をつけるのが有効なのだそうです。

さっそく妻が命名しました。「惰丸(ダマル)」です。怠惰,無駄の象徴です。そう,ことごとく惰丸(ダマル)のせいで,論文が投稿できないのです。私が,レールの上を猛スピードで疾走している時に,惰丸(ダマル)がコッソリポイントを切り替えるので,私が走るべきレールを見失うのですw

惰丸(ダマル)日記 第2回

論文を書くか書かないかを「選択した瞬間」を振り返ると,自己コントロールを強化できるのだとか。

昨日は午前中に論文を書く予定だったのだけど,急遽,子を病院に連れて行く必要が出てしまったので予定が狂ってしまいました(幸い,子の病気は大したことありませんでした)。子がいるとどうしてもイレギュラーなことが起こってしまいますね。

そこで,夜に論文を書こうと思ったのですが,子の寝付かせをしたら自分も寝てしまいました。惰丸(ダマル)発動ですね。今思えば,寝付かせを妻にお願いするべきでした。

今,目が醒めたのですがかなりボンヤリしているので,起きて論文を書き始めるか,もう一度寝てスッキリした頭で論文に取り組むべきか,悩ましいところです。

とりあえず,まとまった時間,PCに向かって作業することが大事なので,たとえば Facebook はスキマ時間だけチェックすることにしようかな。(そういうわけで,スミマセン,レスポンス悪くなります)

惰丸(ダマル),なかなか手ごわい。。。

すぐに寝付けないようなので,単純作業だけでも論文を進めておこう。

だんだん快調になってきて,良い感じで書き進みました。

惰丸(ダマル)日記 第3回

昨日の後半はすっかり惰丸(ダマル)にやられてしまいました。未明に起きたので論文を書き進めたのですが,頑張りすぎた反動で昼からはあまり進められませんでした。できなかった原因は,雑用が多かったこと,そして何と言っても体力的にきつかったことでした。そのため夜はこんこんと寝てしまいました。 稲見さんの心配があたってしまいました。

「スタンフォードの自分を変える教室」の目次の第3章に「疲れ」の話が載っているので,そのうち実践しようと思います。

さて,第1章の最後に瞑想の話が書いてありました。瞑想の効果については学生時代に剣道をしていたので経験していましたが,「瞑想が下手な方が効果が上がる」のは知りませんでした。さっそくやってみます。久しぶりにやってみて,集中力を研ぎ澄ますのに役立つことは実感しました。が,5分がとても長く,とても耐えられませんでした。また,子が居る中ではなかなか厳しいですね。でも続けていこうと思います。

惰丸(ダマル)日記 第4回
昨日は博多でとても楽しみにしていたイベントがありましたが,論文を書き進めなければならないので,午前中に諸準備をしていました。
博多に行ってから合間の時間に論文を書こうとも思っていましたが,イベント前は移動と食事で時間がつぶれ,イベント後は興奮と酒の余韻に浸っていて,できませんでした。

その分を取り戻そうと,今朝は惰眠をむさぼりたいとも欲求に駆られたのですが,惰丸(ダマル)に負けてはならんと発奮し,集中して論文を書きました。そのおかげで論文前半のハイライトの最も主要な部分が書けました。昨日午前中の準備が生きて,今朝ははかどりました。よしよし。

「スタンフォードの自分を変える教室」のメソッドは,本当に理にかなっているなぁ。

惰丸(ダマル)日記 第5回
今日は妻の実家で夕食だったのですが,あまりに長居したので,論文執筆に焦るあまり帰りに,つい妻に激昂して八つ当たりしてしまいました。本当にゴメンナサイ。そもそも締め切り直前になって書き始める私が悪いよね。。。

さて,私は論文を書くことそのものも億劫ですし,英語は苦手意識があってついつい後回しにしてしまいます。今回の論文は苦手な英語なのですが,しばらく書いて慣れ始めると,実は英語で論文を書くことそのものはそれほど嫌いではないことを発見しました。自分の教育研究の成果を英語で書くと,なんかこう,思考が整理されるのです。「あぁ,自分はこういうことをやってきたのね」と気づかされることが多々あります。今書いている論文を書き終えても,この感触を忘れないうちに,次の論文を書こうっと。

たぶん,私が論文嫌いなのは,査読とか発表後の質疑応答とかなんだろうなぁ。

※同僚の先生が熱いコメントを寄せてくれました。

惰丸(ダマル)日記 第6回

3連休最終日。妻が1日じゅう子を連れて実家や外に遊びに行ってくれる計らいのおかげで,論文執筆にまる1日専念できました。ずっと集中して取り組んだので,手を焼いた執筆中の英語論文も残すところ3項目を書けばひと通り書き終わりです。ようやく終りが見えました。妻に感謝です。

今朝,思い立って Facebook の設定を大きく変えました。「親しい友達」に気になる人を入れておくと,その人がなにか書くと「お知らせ」に表示されるという機能があり,私はそれをフル活用してチェックしていたのですが,思い切って全削除してみました。今まで「お知らせ」が気になってついついチェックしてしまっていましたが,この習慣を断つ効果が期待できます。その代わり,みなさまへのフォローが行き届かなくなるわけですが,ご容赦いただければと思います。今年は論文を含む実質的なアウトプットを行うことで成果を還元していきたいと思います。

惰丸(ダマル)日記 第7回

ついに目下の懸念であり目標だった英論文1編をひと通り書き終えました。「スタンフォードの自分を変える教室」にしたがい「惰丸(ダマル)」を仮想敵として論文執筆に取り組んで1週間になりますが,まずは当初の目標を達成したといっていいのではないかと思います。

総括をする前にここ数日での取り組みを書き残しておきます。
昨日1月15日ですが,午前中は少しの時間ではありましたが,論文執筆に取り組むことができました。しかしその後モチベーションが下がるような出来事がありました。そのせいで午後はゼミを回すだけで一杯一杯で論文執筆どころではありませんでした。

「スタンフォードの自分を変える教室」にも,意欲・気力が削がれたり疲労したりすると,目標達成に向けた日々の活動に取り組まなくなってしまうことが多いと書かれています。たしかにそのとおりです。

そこで,昨晩は体力回復に全力を注ぎました。おかげで,今日は朝から意欲的に論文執筆に取り組みことができ,ついに達成できた次第です。

2013年1月7日月曜日

ワークシフト

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ワークシフトを一気に読み終えました。


ワーク・シフト (孤独と貧困から自由になる働き方の未来図<2025>) (Kindle)


ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉 (紙書籍)

この本は,基本的ではあるが本質的に時代の潮流を捉えている特性をテクノロジーの進化,グローバル化の進展,人口構成の変化と高寿命化,社会の変化,エネルギー・環境問題の深刻化の5つの観点で網羅的に取り上げています。また,それらの特性によって導かれる未来のワークスタイルを(明るい見通しだけでなく暗い見通しも含めて)論理的に洞察し,詳細かつ具体的に描写しています。

この本は私にとって大きな意外性はなかったのですが,社会に対する分析を整理し,自分自身の方向性を確認する上でとても有用でした。

私の今のワークスタイルは,この書籍で紹介されている「主体的に築く未来の明るい日々」の3つのワークスタイルそれぞれの主要な要素を含んでいる,けっこう先を行った働きかたなのだなぁと実感しました。

社会に対する知識や経験に乏しい学生たちには,とくにオススメできます。

2013/1/13 追記:
この本「ワークシフト」には未来の働き方について「正解」は書かれていません。読者が自分の業界に当てはめて考察する材料を提供しているのだと私は思います。

目次
  • 働きかたの未来は今日始まる
  • 働き方の未来を予測する
  • なにが働き方の未来を変えるのか
    • 未来を形作る5つの要因
  • 「漫然と迎える未来」の暗い現実
    • いつも時間に追われ続ける未来
    • 孤独にさいなまれる未来
    • 繁栄から締め出される未来
  • 「主体的に築く未来」の明るい日々
    • コ・クリエーションの未来
    • 積極的に社会と関わる未来
    • ミニ起業家が活躍する未来
  • 働き方を<シフト>する
    • 第1のシフト: ゼネラリストから「連続スペシャリスト」へ
    • 第2のシフト: 孤独な競争から「協力して起こすイノベーション」へ
    • 第3のシフト: 大量消費から「情熱を傾けられる経験」へ
  • 未来のために知っておくべきこと

2011年2月19日土曜日

西洋の考え方(哲学,科学,...) 〜 時計じかけのオレンジ

今日は妻のすすめで「時計じかけのオレンジ」を見ました.それも映画と演劇の両方です.

快/不快でいえば,不快な作品ではありましたが,哲学的で考えさせられるところが多く,また見たいと思いました.精神的に大人になってから見るべき作品で,私も20代までだったら,この作品を見ても嫌悪感だけしか持たず哲学的な意味を考えることはなかっただろうと思います.

以下,作品そのものについては触れず,作品を見て私が考察したことを書きます.

まず思ったことは,この作品の端々に西洋哲学あるいは科学の考え方が見え隠れすることです.作品の中で純粋な(あるいは極端な)状態での究極の2択が現れます(具体的に何かは申しません).A と B という考え方のどちらをとるかを迫るのです.このアプローチはサンデルのこれからの「正義」の話をしようでもとられています.これが「考えさせられる」最大の要因です.

しかし,私はそこに違和感を感じます.仮にそういう極端な状況で考えると A の考え方が妥当かもしれないと思いはするのですが,でもやっぱり普段の状況だと A と B をその時々で総合的に判断するのが妥当だろう,と思ってしまうのです.抽象化しすぎ・捨象しすぎのように思えるのです.現代の西洋科学では複雑なものを単純化しないと扱えないのですが,それと同根なのだろうと考えるのです.

もう1つ考えたのが,西洋では「責任ある自由」をとても大事に思っている点です.そして自由には危険がつきもので,彼らは「自由であるがゆえの怖れ」と常に戦っているのです.

私は以前から自由と安定(安全・安心)は,ほとんど両立しない相いれないものだと薄々思っていました.この作品で感じた「自由であるがゆえの怖れ」を見て,確信に至りました.

と同時に思ったのは,もし自由と安定を両立する道があるとしたら,「自由であるがゆえの怖れ」を超克することが鍵になるのかもしれないということです.

映画




私は Apple TV で見ました.


演劇 



小説もありました



参考文献

2010年12月25日土曜日

Win-Win 達成の方法論 〜 Value-Based Software Engineering

ではソフトウェア開発において Win-Win を達成するためには,どうしたらいいでしょうか.それを目指しているのが Value-Based Software Engineering (VBSE) です.VBSE の目指す開発は,ソフトウェア開発に関わる利害関係者(stakeholder)全員が Win-Win になるようにすることです.

VBSE の基本理論は4つあります.ちょうどこの4つの理論がそれぞれ理想的に達成されるのであれば,順番に適用すると Win-Win が達成できると主張しています.
  1. Dependency Theory: どんな利害関係者がいるのかを特定する
  2. Utility Theory: それぞれの利害関係者の価値観を見える化する
  3. Decision Theory: 衝突する利害を調整し,方針を決定する
  4. Control Theory: 開発が決められた方針を守っているか,監視する
利害を調整しながら行わなければならないソフトウェア開発プロジェクトは,たいてい無意識のうちにこのように行っているのではないでしょうか?

これらの理論は主に経済学を背景にしています.分かりやすいのは Utility Theory です.みなさん「需要供給曲線」を知りませんか? これは縦軸に商品の価格,横軸に商品の数量をとったグラフで説明されます(下図).合理的な消費者は,価格が安くなると大量に購入し,価格が高くなると少量しか購入しません(図中の赤実線).合理的な生産者は,価格が高くなると大量に出荷し,価格が安くなると少量しか出荷しません(図中の緑実線).最初は価格が高すぎたり安すぎたりします.高すぎる場合は,消費者が少量しか購入しないのに対し,生産者が大量に出荷します.そうすると商品が余るので買い手がつかず,やむを得ず生産者が価格を下げます.安すぎる場合には逆のことが起こり,消費者が価格が高くても買おうとします.これを繰り返すと次第に均衡価格(図中の青破線)で落ち着きます.これは経済学で最初に習うことです.
これは見方を変えると,図中の赤実線は消費者の,緑実線は生産者の,それぞれ商品の価格と数量に対する価値観を表していると考えられます.経済学的な立場では価値観を一種の関数として表すことができると考えられています.複数の利害関係者の価値観をそれぞれ関数として表現できれば,最適な開発方針を選択することは利害関係者の関数からなる方程式の最適解を求めることを意味します.これが VBSE の基本的な考え方になっています.

価値観の関数化などできるのか?という疑問は当然持つでしょう.これはインタビューを通じて行うことがあります.たとえばアイスクリームの価格と数量の需要曲線を求める場合,消費者Aに「アイスクリームの価格が○○円だったとしたら,何個欲しいですか?」というような質問を投げかけます.それを辛抱強く聞き続けるわけです.統計的な方法もあります.価格が変動したときに,どのくらい需要や供給が変化するかを観察する方法です.

ソフトウェア開発においても,何かの懸案事項に対して「こういう条件だったら採用しますか?しませんか?」と利害関係者に聞いて回ることができるでしょう.あるいは会議の場で,ある条件が提示されたときの利害関係者の反応から推察することもできるでしょう.

このように,VBSE によって,すべての利害関係者が Win-Win になるようになるというわけですが,もちろん実際にはそううまくいきません.VBSE の本を読んでも,そんなに理想的にうまくいくとは限らないだろうという指摘をしたくなることが多々あります.現時点ではあくまで理想論だと私は考えます.

しかし,VBSE が提示しているソフトウェア開発のあり方や,それを実現するためのアイデアの数々は,理想的なソフトウェア開発の姿を示唆しているのではないでしょうか.


2010年12月23日木曜日

インサイドアウトと相乗効果,これからの就職活動や市民活動のあり方〜7つの習慣

今回は7つの習慣―成功には原則があった!の重要な考え方の1つである,インサイドアウトについて考えます.

インサイドアウトは「内から外へ」という意味で,自分の内面にあるものに作用して,外へ波及させるという考え方です.

自分のことを棚に上げて,学校が悪い,会社が悪い,社会が悪い,という人がいます.このような人は,自分の抱えている問題は自分の手に及ばないことのせいにしているので,このままでは決して変わらないです.

それに対しインサイドアウトの考え方は,自分が影響を及ぼして変えられる範囲のことに集中します.具体的には,まず自分自身を変えていくことから始めるのです.この考え方が根底にあるので,7つの習慣の順番は,自分の内面を変えることから始まり,徐々に自分の周りの人に作用することへと続くのです.最初は大して世の中を変えることはできないかもしれませんが,だんだん自分の影響範囲が広がっていき,最終的には大きく世の中を変えていく力にしていくのです.

インサイドアウトを,以前紹介した Win-Win の話と合わせて考えてみます.もしインサイドアウトを考慮せずに Win-Win を目指した場合にはどうなるでしょうか.互いに自分よりも他人に変化を要求しあうことにより,多くの場合 Win-Win に到達することは困難でしょう.交渉の末,なんとか Win-Win を達成したとしても妥協のレベルでしか達成し得ないと考えられます.

相乗効果を狙うとしたら,それぞれの立場を超えてお互いを理解し合うことが必要です.それにはインサイドアウトを実践することが近道です.相手を無理矢理変えさせるより先にまず自分を変えること,具体的にどう変えるのかと言えば,自分の要求ばかり口にするのではなく,まず相手の声に耳を傾け,相手の立場を理解することです.お互いの立場を理解しないことには相乗効果など期待できません.

このようなインサイドアウトの考えに疑問を持った人がいるかもしれません.「そうは言っても,真の原因が社会にあることも考えられるではないか」その例として,私は就職活動のことを連想しました.この未曾有の不況下で就職事情は限りなく悪化しています.その根本的な原因の多くは社会の構造的欠陥にあることが多くの人から指摘されています.このような事例においても,インサイドアウトの考えが正しい,つまり社会を批判するのではなく,まず自分を変えるべきでしょうか.インサイドアウトはそういう,ある意味自虐的な考え方なのでしょうか.

私は,そのような解釈はインサイドアウトの本質を理解していないと考えます.インサイドアウトの教えは,自分が影響を及ぼして変えられる範囲のことに集中することです.したがって,狭義の就職活動だけではなく,微力でも社会に影響を及ぼして変えていくことも含めて自ら率先して活動することがインサイドアウトに基づく就職活動だと思います.

断っておきますが,私がここで言う「社会を変える」活動は,必ずしもいわゆるデモ運動に代表されるような旧来の活動のことを意味しません.なぜならば,旧来のデモ活動は単に一方的な要求を叫ぶのみで相手との建設的な対話を含んでいないため,多くの場合 Win-Win は達成できず,頑張ってせいぜい妥協しか達成できないからです.

もし私が就職活動デモを含む市民活動を企画するとしたら,労使など立場の違う人々を交えたワークショップのような建設的な市民活動を考えるでしょう.この方がはるかに相乗効果を達成できる可能性があります.市民活動は時代時代によって最適なアプローチが異なるはずです.現代の日本の事情にあった市民活動のあり方があると,私は思います.

もちろん,学生さんの立場ではこのような企画をすることは難しいかもしれません.でも,学生には学生なりの社会との関わり方,相乗効果を達成する方法があると私は信じています.就職活動で疲弊している学生さんには,ただただつらいかもしれませんが,目の前の就職活動だけではなく,就職に対する考え方をはじめとする自分の人生のあり方とか,社会との関わりとか,そういう「緊急ではないけれど重要なこと(これは第3の習慣の教えです)」に目を向けることも大切ではないかと思います.

2013/1/13 追記:
変えられるのにあえて変えないタイプの人もいます。そういう人には私が何を言っても変えないかもしれませんね。でも私は,私が変えられる範囲の人を私が善いと信じる方向に導く活動をするだけです。


2010年12月14日火曜日

「みんなを Happy! にする」の背景〜7つの習慣

9つの価値の学生からの一番人気は「みんなを Happy! にする」です.
今回は「みんなを Happy! にする」の大元である7つの習慣―成功には原則があった!から背景を説明していきましょう.

7つの習慣は次の通りです.

  1. 主体性を発揮する
  2. 目的を持つ 
  3. 重要事項を優先する 
  4. Win-Winを考える
  5. 理解してから理解される 
  6. 相乗効果を発揮する 
  7. 刃を研ぐ 

ここでキーポイントになっているのが,第4の習慣で掲げられている Win-Win の考え方です.「みんなを Happy! にする」ことは,みんなが勝つ(win)ことと同義だと考えています.

7つの習慣では,Win-Win の状態にもレベルがあると言っています.最初のレベルは,いちおう Win-Win ではありながら,みんながそれぞれ「妥協」している状態です.みんなの持つ利害は全ての面において一致するとは限らず,むしろ衝突することがしばしばあります.衝突する利害について,お互いがそれぞれ譲り合って満足することが妥協です.

Win-Win が妥協だと聞いて,ちょっとがっかりした人はいませんか? 大学時代に私が「議論で対立することはある」「そのときにどうするのか?」という疑問を抱いたのに対して,先輩から「お互いに賛同できるところは賛同し,残りは妥協する」という答えを聞いて,やはり同様にがっかりしたのを覚えています.

今にして思えば,当時の私が期待したのは,ヘーゲルの弁証法(Wikipedia)にあたる考え方だったのだと思います.つまり,ある命題Aと,Aに対立する命題Bがあったときに,A,B を統合した命題Cを創造するという考えです.Win-Win はこのような考え方を目指すべきではないか?と思っていたわけです.

実際,7つの習慣では,このようなWin-Winの形を示しています.それが第6の習慣に掲げられている「相乗効果(シナジー: synergy)」です.つまり,それぞれの立場を超えてお互いを理解し合う(第5の習慣に相当)ことで,それまで考えつかなかった,みんなにとって真に Happy! な全体最適解を創造するというレベルです.

「みんなを Happy! にする」という価値では,この2つのレベル(妥協と相乗効果)の違いを念頭に置く必要があります.

この価値を大切に思う人は,ぜひ7つの習慣を手に取って読んでみてください.また近々,この話の続きを書きたいと思います.


2010年10月29日金曜日

これからの思考の教科書 ~論理、直感、統合ー現場に必要な3つの考え方~

ついに,求めていた本が見つかりました.

これからの思考の教科書 ~論理、直感、統合ー現場に必要な3つの考え方~

この本の主張は,縦の思考(ロジカルシンキング: logical thinking)だけでなく,横の思考(ラテラルシンキング: lateral thinking)も必要だということ,最終的には統合思考(インテグレーティブシンキング: integrative thinking)を目指す必要がある,ということです.縦の思考と横の思考の関係は,ちょうど縦の思考がツッコミで,横の思考がボケに相当します.

今は誰もがロジカルシンキングを重要だとしていますが,現代のようなインターネット社会/グローバル社会で情報が均質化していく状況では,ロジカルシンキングだけでは誰がやっても同じ解しか得られません.

その限界を超えるために必要なのがラテラルシンキングです.創造的な仕事はあまり定石がないと思われがちですが,実は世の中に発想法の類いは何百種類とあるそうです.そういうツールを生かしつつ,たとえば今まで誰もが試さなかった組合わせを試すというようなことで,ロジカルシンキングの限界を超えるわけです.

この本に難点をつけるなら,具体的な手法が数種類しかあげられておらず,しかも基本的な使い方に終始していて,深く突っ込んだ活用方法があまり見られなかった点です.(早とちりでした.たしかにラテラルシンキングやインテグレーティブシンキングについては数種類しか紹介されていませんが,ロジカルシンキングについてはたくさん,しかもきちんと整理されて紹介されています.) しかし,パズルのピースを探していた私にとっては,先に紹介したフレームワークだけでも十分価値があります.

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最近,私の強みをずっと考えていたのですが,分野と分野をまたぐ,文系と理系の枠を越える,産業界と学術界をつなぐ,そういったところに強みがあるように思います.仮にそうだとすると,これからすべきことの1つはラテラルシンキングのツールを収集し,得失を分析して,活用方法を編み出し,さまざまな局面で実践することだと思います.

そういった明確な方向性を与えてくれたという意味で,私にとって大きな価値のある本でした.



Twitter での感想

2010年10月23日土曜日

ロジカル・プレゼンテーション 〜 自分の考えを効果的に伝える戦略コンサルタントの「提案の技術」

今回紹介する本は,ロジカル・プレゼンテーションです.

プレゼンテーションと言っても,PowerPoint の作り方といった内容ではありません.「提案」そのものを,論理思考力,仮説検証力,会議設計力,資料作成力の4つの観点から,どのように緻密に構成していくかという話です.

論理思考力とは,A ならば B であるという論理があったときに,その論理を相手に心から納得させるための技術です.たとえば,論理に抜け落ちている観点や飛躍があったりすると相手は納得できません.この本では,縦と横の論理という整理法で論理を形成する技術を紹介しています.

仮説検証力とは,まず相手の疑問を知り,次にその疑問に対して答えるための技術です.この本では,この一見当たり前に見えることが,実際にはいかにできていないかを指摘しています.それを目的,論点,仮説,検証,示唆の5段階で進めることだ大事だと力説しています.

会議設計力とは,退屈になりがちな会議を,本当に実りある時間に変えるための技術です.この本では,会議しているという認識,会議の論点,提案全体の中での今回の提案の位置づけ,相手に合わせた論理という4つの観点から,会議の「着地点」と「着地スタイル」の設計をする方法を示しています.

資料作成力とは,提案内容を示す資料を効果的に作成するための技術です.メッセージ,チャート,スライド,パッケージ,マテリアルの5つにモジュール化された資料を作るべきだと述べています.

この本自体が上記の4つの観点で整理されたプレゼンテーションの模範例としてよくできています.企業向けのプレゼンテーションをする人全員が読むべき本だと思います.一方,はじめてプレゼンテーションを作る学生には抽象的で高度すぎる内容かもしれません.PowerPoint  をどう使ってどういう資料を作ってという本の方が有益でしょう.むしろ学生のプレゼンテーションをレビューする立場の教員の方が有用かもしれません.





2010年10月12日火曜日

UML モデリングおすすめ書籍

UML モデリングの本で,かなりおすすめの書籍を2冊紹介します.


UMLによるオブジェクト指向モデリングセルフレビューノート


UML の主要な図について,レビューするときに見るべきポイントを丁寧に解説しています.復刊しないかなぁ.




「モデリング能力にはトレーニングが必要だ」との持論に基づいて,「アイスクリームをモデリングせよ」というような,頭が柔らかくないとできないようなお題が多数掲載されています.もちろん丁寧な解説付きです.

2010年10月8日金曜日

ペルソナ関連

奇しくも研究室の中と外でほぼ同時にペルソナ法が話題になったので,ブログに書こうと思い立ちました.

ペルソナ関連の基本文献を紹介します.

元祖 Alan Cooper の本




本の半ばくらいまでは,既存のコンピューターに対する愚痴です.それはそれで興味深い洞察で面白いのですが,手っ取り早く読みたい人は1,2章愚痴につきあったら,ペルソナ法の紹介の章へ飛んでも十分読めると思います.

The Persona Lifecycle


ペルソナ法の詳細を知りたいならこの本です.洋書は必ず買うべきです.というのは,和書は方法の紹介だけしか載っておらず,カラフルな写真やイラストを多用した事例紹介や,実際にすすめる上での重要なヒントなど,肝心な情報は洋書にしか載っていないからです.


2010年10月7日木曜日

はじめてのファシリテーション

ファシリテーション(facilitation)は,元々の意味は促進するという意味です.
新たな発想を生み出す源になる,議論を活性化するための技術として注目を集めています.

いくつかの本を読んだので,その中からおすすめの本を紹介したいと思います.


小説仕立ての本です.ファシリテーションがどのようなものかよく知らない人が,ファシリテーションがどのような感じで行われるのかの雰囲気をつかむのに最適です.そして,他の書籍を一通り読んだ後,もう一度この本を読むと,ケーススタディとして分析することができます.続編もあります.


ホワイトボードに絵を書きながら議論を見える化するのは,ファシリテーションの1つの大きな技術領域です.この本は,議論を「絵」の形でまとめる方法を,たくさんの事例とともに紹介しています.


一方,この本は議論で登場した「概念」を整理する技術領域がまとめられています.タイトルの通り,話題の「問題解決力」にも効く本です.

以上,これら3冊を読めば,後は実地で試しつつ,課題を認識して新たな本を読み,また実地で試して,というサイクルができると思います.

2010年10月3日日曜日

普段の業務の「システム」を考えよう 〜 はじめの一歩を踏み出そう

今日紹介する本は「はじめの一歩を踏み出そう〜成功する人たちの起業術」です.

起業しようという人がたいてい陥る(そして僕も見事に引っかかった)典型的なをはじめに紹介し,企業目標・事業目標を立てて,それを実現する「システム」を構築せよ,というのがこの本の教えです.

システムの中には,マニュアルとか,(本の中ではそう書いてはいませんが)標準プロセスとかが含まれています.マニュアルとか標準プロセスというと,画一的で人間らしさを否定するようなものとして受け止められることが多いのですが,あるホテルの例を引き合いに出し,人間らしさを実現するマニュアルや標準プロセスがあり得ると述べています.

目標を考えること,システムを考えることは,起業する前から練ることができます.たとえば普段やっている業務の目標・目的を考えたり,マニュアルやプロセスを書いてみればいいのです.それができないと,起業しても成長できないとこの本は説きます.

僕も既に研究室の運営を行っています.この本のような視点から研究室の「システム」を構築していこうと思います.

学生さんも,起業は自分に縁のない遠い話だとは思わずに,この本を読んでみてください.将来,改善活動に携わることになったときには,この本の知識が役に立つはずです.そこまで先の未来でなくても,自分が取り組んでいる身近なことについて目標やシステムを考察すると,「できる人」に一歩近づくことでしょう.


2010年10月1日金曜日

「自分にとっての資産とは何か」を考えよう 〜 金持ち父さん貧乏父さん

ずいぶん久しぶりになってしまいました.

復帰第1弾は,今さらですがベストセラーの「金持ち父さん貧乏父さん」です.



この本,Amazon のレビューでは賛否両論ですね.
否定的な意見になる気持ちも理解はできますが,僕はこの本の真髄を理解していないゆえに湧き出た疑念なのだと考えます.

金持ち父さん(そして著者)の主張は「資産をふやせ」に尽きると思います.資産の定義は,金持ち父さん流では「収入を生むもの」すべてです.
そして,どんな職業の人にとっても普遍的な資産は,不労所得,つまり株や不動産などなので,金持ち父さんはその運用の基礎を教えます.しかし,僕は,不労所得は資産の一部にすぎないと考えます.

僕にとっての最大の資産は何でしょうか.もちろん,株や不動産も資産ですが,僕はこれらの知識やリテラシーに乏しいので,収入を生むようになるためにはかなりの金銭の投資だけではなく,関連書籍やセミナーなどの,情報を得るための投資が必要でしょう.

金持ち父さんは教えます.「自分の頭を使って稼げ」と.つまり,今まで持っている知識も活用方法によっては資産になりうるというのです.だから僕にとっての最大の資産は,ソフトウェア工学と周辺に関する,小学校高学年以来の20年以上の知識と経験なのです.あとは,お金を生むための効果的・効率的な運用(あるいはシステム)を考えればいいのです.


僕が,忙しいけど頑張ってブログを再開しようと思ったきっかけは,金持ち父さん貧乏父さんです.なぜならば,このブログも僕にとっての資産だからです.Twitter も資産ですが,流動資産(フロー)の要素が強いのですよね.ブログは固定資産(ストック)になり得ます.だから,どんなにつらくても資産としてのブログを書きためようと思ったのです.

決意表明をかねて,ブログ再開の最初の記事としたいと思います.

2010年2月19日金曜日

教材設計マニュアル

今回紹介する本は,教材設計マニュアル―独学を支援するためにです.


熊本大学には e-learning を e-learning で教えるユニークな大学院があります.著者の鈴木克明先生は,その大学院の専攻長をされています.鈴木先生は Instructional Design (ID) という教育の方法論の専門家です.この本は,鈴木先生の豊富な知識と長年の経験に基づいた教材を作るための方法論を紹介しています.
ソフトウェア工学になじみのある人には,eXtreme Programming にノリが近いといえば分かるでしょうか.テストファースト,反復開発,オンサイト顧客といったプラクティスと共通性があります.


余談ですが, eXtreme Programming と共通性のある考え方は,ソフトウェア開発・教育だけではなく,経営戦略でも同時多発的に起こっています.経営戦略とソフトウェア開発については,起源は80年代の日本企業の強さを欧米が徹底的に研究したことに由来するそうです.これは僕の仮説ですが,おそらく ID の分野でも同時期に日本企業研究にヒントを得て欧米で研究が進んでいて,それを鈴木先生が逆輸入したのではないかと思います.真相はいかに?




2013/4/28 追記
鈴木先生に以前この話を伺ってみたところ,IDの分野では日本企業研究とは別個に進んでいたようです。ソフトウェア工学や経営学においても,日本企業研究とは別の由来で,反復開発的なプロセスを研究していた流れもあったようで,それがたまたま合流したということのようです。

2010年2月2日火曜日

「よくわかる経営戦略論」は経営戦略論の BOK ガイド?

今回もタイトルで言いたいことはほぼ言い尽くしたのですが.

ソフトウェアの世界では,PMBOKSWEBOKなど,さまざまな Body of Knowledge (BOK: 知識体系) ガイドがあります.

BOK ガイドは,主要キーワードとそれに関連する文献を網羅的に紹介していますが,経営戦略論においてそれに近い位置づけなのが,今回紹介するよくわかる経営戦略論です.この本は数ある経営戦略の本を選りすぐり,歴史的背景とともにそれらの文献の概要を紹介するものです.

BOK ガイド単独では,その分野のキーワードがわかるだけで内容についての深い知識が得られないのと同様,よくわかる経営戦略論でも,その真価を発揮するには,この本が推薦している書籍を一通り入手して読む必要があるでしょう.したがって,ガイド付きの推奨文献リストだと思えばいいです.

初学者がこの本だけ買って経営戦略について理解できるわけではないですが,ある程度の書籍を買うお金と読む時間があって,体系的に経営戦略について学びたいと思う人にはおすすめです.



2010年1月21日木曜日

経営戦略とアーキテクチャパターンの類似性を伊丹敬之著「経営戦略の論理」に見た

経営戦略の論理は,元一橋大,現在東京理科大の伊丹敬之(いたみひろゆき)先生が書いた経営戦略の教科書です.姉妹本のケースブック 経営戦略の論理と合わせて読むと理解が深まります.

タイトルでほとんどいいたいことは言い尽くした感がありますが,この本の第一印象は「これって経営戦略のパターンだね」ということです.ソフトウェア技術者なら誰もが知っているデザインパターンと似ているなと感じました.どう似ているかというと,経営戦略には定石があり,それがいくえにも重なり合って階層的な構造をなすという点です.これが僕にはパターンを使ったソフトウェアのイメージとダブるのです.
もっとも,同じパターンでも位置づけ的にはアーキテクチャパターンに近いと思います.経営戦略全体が階層的なフレームワークになっており,それぞれの構成要素にバリエーションとレベルがあるというイメージを持つといいと思います.
最初の書籍レビューはこんなところにしておきましょうか.ゆくゆくは単なる本の紹介では終わらせずに,輪講のように自分自身の見解を交えて詳しく切り込んでいきたいところです.ゆっくりやりますので,あせらずお待ちいただければと思います.コメントや Twitter でリクエストを出していただければ,できる限り対応したいと思います.