今回は「みんなを Happy! にする」の大元である7つの習慣―成功には原則があった!から背景を説明していきましょう.
7つの習慣は次の通りです.
- 主体性を発揮する
- 目的を持つ
- 重要事項を優先する
- Win-Winを考える
- 理解してから理解される
- 相乗効果を発揮する
- 刃を研ぐ
ここでキーポイントになっているのが,第4の習慣で掲げられている Win-Win の考え方です.「みんなを Happy! にする」ことは,みんなが勝つ(win)ことと同義だと考えています.
7つの習慣では,Win-Win の状態にもレベルがあると言っています.最初のレベルは,いちおう Win-Win ではありながら,みんながそれぞれ「妥協」している状態です.みんなの持つ利害は全ての面において一致するとは限らず,むしろ衝突することがしばしばあります.衝突する利害について,お互いがそれぞれ譲り合って満足することが妥協です.
Win-Win が妥協だと聞いて,ちょっとがっかりした人はいませんか? 大学時代に私が「議論で対立することはある」「そのときにどうするのか?」という疑問を抱いたのに対して,先輩から「お互いに賛同できるところは賛同し,残りは妥協する」という答えを聞いて,やはり同様にがっかりしたのを覚えています.
今にして思えば,当時の私が期待したのは,ヘーゲルの弁証法(Wikipedia)にあたる考え方だったのだと思います.つまり,ある命題Aと,Aに対立する命題Bがあったときに,A,B を統合した命題Cを創造するという考えです.Win-Win はこのような考え方を目指すべきではないか?と思っていたわけです.
実際,7つの習慣では,このようなWin-Winの形を示しています.それが第6の習慣に掲げられている「相乗効果(シナジー: synergy)」です.つまり,それぞれの立場を超えてお互いを理解し合う(第5の習慣に相当)ことで,それまで考えつかなかった,みんなにとって真に Happy! な全体最適解を創造するというレベルです.
「みんなを Happy! にする」という価値では,この2つのレベル(妥協と相乗効果)の違いを念頭に置く必要があります.
この価値を大切に思う人は,ぜひ7つの習慣を手に取って読んでみてください.また近々,この話の続きを書きたいと思います.