舘伸幸さんを特別講師として招いています。以前は森孝夫さんとも組んでいました。
もし,ご意見・ご感想などあれば,ぜひ右下の MessageLeaf にお寄せください。授業改善に役立てたいと思っています。
授業の概要(ねらい,テーマなど)
本授業では主に簡単な組込みソフトウェアの開発方法を学習します。開発対象のシステムは LED や押しボタンなどがついたシンプルなマイコンボードです。組込みソフトウェア開発のエッセンスはこのような単純なシステムの開発の中に詰まっています。
この授業でとくに重視しているのが,実開発でも用いられるハードウェアに関する資料を読みながら自律的に問題を解決していくプロセスです。技術は急速に進化するので知識は陳腐化していく運命にありますが,だからこそ,技術ではなく技術の学び方を学ぶことが強く求められます。
到達目標
- 与えられた関連資料を参照し,指定されたマイコンボードと1〜3種類程度のハードウェア部品からなる組込みシステムに,指定された1〜3機能程度の要求仕様を満たすソフトウェアをペアで設計・実装することによって,問題解決に必要なルールや手順を自ら編み出せる。
- 組込みシステムの定義を説明できる。
- Koopman の提唱する組込みシステムの応用領域の分類例について例と説明を考えられる。
- ISO/IEC9126の品質特性の中から,指定された組込みシステムに最も求められる品質特性がどれか,選択する理由とともに自分の言葉で主張できる。
学位授与方針との関連
- 知識・理解
- 組込みソフトウェアに関連する概念・用語を自分の言葉で説明できる。(到達目標1-4)
- 技能
- 開発に必要なモデリング・プログラミングの技能を身に付ける。(到達目標1)
- 思考・判断・表現
- 関連資料を参照しペアで議論しながら問題を自律的に解決できる。(到達目標1)
- 与えられた製品について,どのような品質が求められるか判断できる。(到達目標4)
- 関心・意欲・態度
- 開発するときにわからないことがあった場合に,人に尋ねるのではなく資料を自力で調べることを選択する。(到達目標1)
- 開発中の製品に求められる品質は何かを常に考える習慣を身につける。(到達目標4)
教科書
講義中に配布します。
参考書
B.P. Douglass “Design Patterns for Embedded Systems in C: An Embedded Software Engineering Toolkit”. Newnes, 2010. ISBN 978-1856177078
授業計画・内容
2013年度も引き続き授業改善を行うため,授業計画を変更する可能性が高いです。第1回のガイダンスでのアナウンスに注意してください。
- ガイダンス,概論 (1)
- 組込みシステムのモデリング
- 組込みシステムのモデリング 例題分析演習
- 使用するハードウェアの説明,開発環境の構築
- 簡単なプログラミング (1)
- 簡単なプログラミング (2)
- 設計演習 (1)
- タイマーと割り込み
- 設計演習 (2)
- 開発演習 (1)
- 開発演習 (2)
- 開発演習 (3)
- 開発演習 (4)
- 概論 (2)
- 振り返り
成績評価の方法
到達目標ごとの成績評価
到達目標1: 演習課題: 40%
到達目標2: 試験: 10%
到達目標3: 試験: 10%
到達目標4: 試験: 10%
その他の評価項目
積極的な授業への参加: 30%
授業に対する準備事項
授業ではUMLによるモデリングとC言語によるプログラミングの能力が必要です。UMLモデリングとC言語プログラミングをよく復習しておいてください。
履修上の注意
授業ではUMLによるモデリングとC言語によるプログラミングの能力が必要です。UMLモデリング能力については学部3年生のソフトウェア設計論を,C言語プログラミング能力については学部1年生の計算機演習Iを受講していることが望ましいです。これらの科目を受講していない場合には,授業開始前に補習を行うので,担当教員に連絡してください。
担当者からのメッセージ
この授業では特別講師として組込みシステム開発経験が豊富な技術者を招聘しています。特別講師を通して,実社会で組込みシステムを開発するとはどういうことなのかを学んでいきましょう。
キーワード
組込みシステム,組込みソフトウェア,ソフトウェア・モデル,品質,設計,実装,プログラミング,UML
embedded system, embedded software, software modeling, software quality, software design,
software implementation, programming, UML