2013年8月2日金曜日

博士号のとり方


社会人(ソフトウェア開発の実務家)が博士論文を書くときのコツは,いかに最小限の内容にするか,だと思います.社会人になると欲張りになって「あれもこれも」と盛り込もうとして収拾がつかなくなって年限オーバーということになりがちです.「引き算」です.一番大事な本質的な問い(リサーチクエッション)をいかに絞り込むかが勝負だと思います.


リサーチクエッションがある程度絞れたら,それを「仮説」「軸」として既存研究をサーベイします.似たようなテーマの研究を分類する「軸」を提案するようなサーベイ論文は,とてもわかりやすく有用です.

サーベイを終えると,何を自分がなすべきかが見えてきます.空白域になっているような領域があるかもしれません.また,軸の全体を統合するような方法論が不在かもしれません.理論が整っていない,あるいは逆に実践を伴っていないような領域があるかもしれません.そこが狙い目だと思います.最初にも述べた通り,博士論文は最小限の内容にするよう心がけるのが大事です.次の記事も参考にしてください.

ソフトウェア工学実践研究において「巨人の肩に乗る」ということ
http://zacky-sel.blogspot.jp/2013/01/blog-post_10.html

私の博士論文はダメダメだったんですが,その後ヨーロッパを中心に行われている「研究方法の研究(メタ研究)」を調べたり,実際に書かれた博士論文をいろいろ読んでみて,こうするべきだったんだということが後でわかった次第です.

博士号を取ろうとするすべての人に,まずは次の書籍を薦めます.





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