2010年10月7日木曜日

はじめてのファシリテーション

ファシリテーション(facilitation)は,元々の意味は促進するという意味です.
新たな発想を生み出す源になる,議論を活性化するための技術として注目を集めています.

いくつかの本を読んだので,その中からおすすめの本を紹介したいと思います.


小説仕立ての本です.ファシリテーションがどのようなものかよく知らない人が,ファシリテーションがどのような感じで行われるのかの雰囲気をつかむのに最適です.そして,他の書籍を一通り読んだ後,もう一度この本を読むと,ケーススタディとして分析することができます.続編もあります.


ホワイトボードに絵を書きながら議論を見える化するのは,ファシリテーションの1つの大きな技術領域です.この本は,議論を「絵」の形でまとめる方法を,たくさんの事例とともに紹介しています.


一方,この本は議論で登場した「概念」を整理する技術領域がまとめられています.タイトルの通り,話題の「問題解決力」にも効く本です.

以上,これら3冊を読めば,後は実地で試しつつ,課題を認識して新たな本を読み,また実地で試して,というサイクルができると思います.

2010年10月3日日曜日

普段の業務の「システム」を考えよう 〜 はじめの一歩を踏み出そう

今日紹介する本は「はじめの一歩を踏み出そう〜成功する人たちの起業術」です.

起業しようという人がたいてい陥る(そして僕も見事に引っかかった)典型的なをはじめに紹介し,企業目標・事業目標を立てて,それを実現する「システム」を構築せよ,というのがこの本の教えです.

システムの中には,マニュアルとか,(本の中ではそう書いてはいませんが)標準プロセスとかが含まれています.マニュアルとか標準プロセスというと,画一的で人間らしさを否定するようなものとして受け止められることが多いのですが,あるホテルの例を引き合いに出し,人間らしさを実現するマニュアルや標準プロセスがあり得ると述べています.

目標を考えること,システムを考えることは,起業する前から練ることができます.たとえば普段やっている業務の目標・目的を考えたり,マニュアルやプロセスを書いてみればいいのです.それができないと,起業しても成長できないとこの本は説きます.

僕も既に研究室の運営を行っています.この本のような視点から研究室の「システム」を構築していこうと思います.

学生さんも,起業は自分に縁のない遠い話だとは思わずに,この本を読んでみてください.将来,改善活動に携わることになったときには,この本の知識が役に立つはずです.そこまで先の未来でなくても,自分が取り組んでいる身近なことについて目標やシステムを考察すると,「できる人」に一歩近づくことでしょう.


2010年10月1日金曜日

OOP演習の進捗(1)

ついにαテスト開始.まだまだ序の口.
あっという間に追いつかれたらどうしよう.
でも,どんなに自転車操業が苦しくても,品質を妥協するのはやめよう.

「自分にとっての資産とは何か」を考えよう 〜 金持ち父さん貧乏父さん

ずいぶん久しぶりになってしまいました.

復帰第1弾は,今さらですがベストセラーの「金持ち父さん貧乏父さん」です.



この本,Amazon のレビューでは賛否両論ですね.
否定的な意見になる気持ちも理解はできますが,僕はこの本の真髄を理解していないゆえに湧き出た疑念なのだと考えます.

金持ち父さん(そして著者)の主張は「資産をふやせ」に尽きると思います.資産の定義は,金持ち父さん流では「収入を生むもの」すべてです.
そして,どんな職業の人にとっても普遍的な資産は,不労所得,つまり株や不動産などなので,金持ち父さんはその運用の基礎を教えます.しかし,僕は,不労所得は資産の一部にすぎないと考えます.

僕にとっての最大の資産は何でしょうか.もちろん,株や不動産も資産ですが,僕はこれらの知識やリテラシーに乏しいので,収入を生むようになるためにはかなりの金銭の投資だけではなく,関連書籍やセミナーなどの,情報を得るための投資が必要でしょう.

金持ち父さんは教えます.「自分の頭を使って稼げ」と.つまり,今まで持っている知識も活用方法によっては資産になりうるというのです.だから僕にとっての最大の資産は,ソフトウェア工学と周辺に関する,小学校高学年以来の20年以上の知識と経験なのです.あとは,お金を生むための効果的・効率的な運用(あるいはシステム)を考えればいいのです.


僕が,忙しいけど頑張ってブログを再開しようと思ったきっかけは,金持ち父さん貧乏父さんです.なぜならば,このブログも僕にとっての資産だからです.Twitter も資産ですが,流動資産(フロー)の要素が強いのですよね.ブログは固定資産(ストック)になり得ます.だから,どんなにつらくても資産としてのブログを書きためようと思ったのです.

決意表明をかねて,ブログ再開の最初の記事としたいと思います.

2010年5月18日火曜日

ADDIE モデル

教育の世界では,ADDIE モデルというのがあります.どんなものかを紹介します.

  1. 分析(Analysis)


    1. インストラクションが解決策となるようなニーズを決定する.
    2. コースが対象とする認知的,情意的,運動技能的なゴールを決定する教授分析を実施する.
    3. 学習者の前提スキルと,そのいずれがコースでの学習に影響を与えるかを決定する.
    4. 利用可能な時間や,その時間にどの程度を達成できるかを分析する.
  2. 設計(Design)

    1. コースの目標を行動目標や主要なコース目標(単元目標)に変換する.
    2. 取り上げるトピックと単元と,それぞれにどれだけの時間をかけるかを決定する.
    3. コース目標を考慮して単元を系列化する.
    4. 単元を具体化し,それぞれの単元において達成すべき主要な目標を特定する.
    5. それぞれの単元に対するレッスンと学習活動を定義する.
    6. 学習者が何を学んだかを評価するための指標を開発する.
  3. 開発(Development)

    1. 学習活動と教材の種類について意思決定する.
    2. 教材や活動の草案を準備する.
    3. 対象とする学習者に教材や活動の試用を依頼する.
    4. 教材と活動を改善,精緻化,あるいは作成する.
    5. 教師の研修を実施し,付属教材を開発する.
  4. 実施(Implementation)

    1. 教師や学習者に教材を採用してもらうために市場に出す.
    2. 必要に応じて支援を提供する.
  5. 評価(Evaluation)

    1. 学習者評価の計画を実施する.
    2. プログラム評価の計画を実施する.
    3. コースの保守や改訂の計画を実施する.
なんか,ソフトウェア開発ライフサイクルみたいですね.

ADDIE では,特に分析のところで,教材開発者が答えるべき問いがいくつか設定されており,それらに答えることで分析を進めていきます.

次回から OOP 演習に関して ADDIE にしたがって整理して進めていこうと思います.

2010年5月8日土曜日

日本の進む道(Twitter での議論)

「下士官が優秀なのに将官がそうでもない日本の現状」の話から,「高等教育のあり方」さらには「研究の進め方」に発展.