2010年4月20日火曜日

教材アーキテクチャ: 原理原則・ケーススタディ レイヤーモデル

ブログは久しぶりですね.第1学期の授業もついに始まってしまいました.でも今日は時間が取れたので,OOP演習の教材開発を再開したいと思います.

以前,OOP演習にスパイラルカリキュラムを適用することを提案しましたが,1つ問題があります.1枚岩で作ってしまうと,用いるケーススタディを変更したときに教材全体を開発し直す必要があるからです.毎年毎年同じケーススタディを行うのは飽きてしまうし,時代や学生さんの関心にケーススタディを合わせる必要があると考えられます.

そこでソフトウェアアーキテクチャの1つであるレイヤーアーキテクチャを適用することを考えました.

レイヤーアーキテクチャ(layered architecture)とは階層アーキテクチャともいい,全体を階層構造にすることで変化に対応させるときの変更箇所を最小限にしようという考え方です.レイヤーアーキテクチャでは,各層のインターフェースをきちんと定義し,下の層を基礎として利用することで,上の層の機能やサービスを実現します.そうすると,インターフェースを守っている限り,1つ1つの階層を入れ替えることが可能になります.

OOP演習では次のような階層構造を考えました.

原理原則層は,教授項目をそれぞれ独立に教材として提供します.たとえば抽象化を学習する教材を,簡単な例題を用いながら説明します.

一方,ケーススタディ層は,大きめの例題を開発し,原理原則層で提供される教材を使いながら,スパイラルカリキュラムを実現します.ケーススタディを入れ替えたとしても,原理原則層は再利用できるというわけです.