2013年1月30日水曜日

2012年度修士論文


私の研究室での2012年度の修士論文の発表者とタイトルは次のとおりです。

上之園 倫哉 自作アプリケーションに対するユーザーテストにおいて思考発話が与える影響の分析

岡部 竜   CBMCを用いたC言語関数の事後条件導出によるゼロ除算例外処理の検出

私の研究室の修士論文発表会は2月6日(水) 9:25より北九州市立大学ひびきのキャンパスN410-4で行います。
今年も残念ながらネット中継や録画等はしません。直接参加いただくか,「このテーマの詳細希望」というようなコメント・メッセージを右下の MessageLeaf にいただけたら対応します。

2013年1月20日日曜日

学習環境づくりの細かいこだわり (1) 空調

私は集中できる学習環境作りとして,細かいところ,たとえば空調にも気を配っています。

室温が暑かったりすると頭がボーっとしてしまって集中できなくなります。逆に寒いと手がかじかむなどして議論や作業どころではなくなります。

私は意識的にこまめに体感温度を気にしてエアコンディショナーのスイッチを操作したり窓や戸を開け閉めしたりしています。体感温度というのが大事です。快適か不快かを身をもって判断します。とくに大きい教室だとどうしても温度にムラができてしまうので,教室を歩きまわって体感温度を確認します。

こうやって室温調整することで授業や演習に集中してもらえるのであれば,よろこんで労力を割きますよ。他にもイベントを開催するときにも室温はよくチェックします。入試業務に関わることもありますが,その場合もこだわりますね。

この記事では「授業で◯◯に気を配っています」「先生が◯◯をしてくれたのがよかった」などのコメントを募集します。ぜひ右下の MessageLeaf までお寄せください。


2013年1月17日木曜日

非ネイティブの英語力を向上させる取り組み


猪瀬さんの英語を恥ずかしがる人が恥ずかしい件

"そこの英語が堪能な人たち、おめでとう。(中略) そんなあなたには、他の人の英語を公の場所でバカにするのではなく(ぼく自身これを何度もやってきており、相当後悔している)、個人的にそっと間違いを指摘してあげたり、どうやったら正しい英語が使えるようになるのか啓蒙する人であってほしい。そっちの方がはるかに生産的だし、日本人の総体的な英語力の向上にもつながるだろう。"

いや,間違いの事例とそれをどう直すべきかを,ぜひ公開して紹介してください。そのような事例が Google 検索できるようになっていると,非ネイティブが英作文するときに,とても参考になります。

個人的こき下ろしは要らないのは同意です。でも,個人の主観を排した客観的な意見ならば,広く世に広めたほうが役に立ちます。そういう知的資産なのです。

巨人の肩とも共通の部分がありますね。

ソフトウェア工学実践研究において「巨人の肩に乗る」ということ

2013年1月16日水曜日

惰丸(ダマル)日記 第1章〜「スタンフォードの自分を変える教室」を実践してみた

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この1週間,「スタンフォードの自分を変える教室」を読みながら実践しました。


この本は,目標を確実に達成するための,科学(心理学・生理学)的に有効性が示されている方法を紹介しています。

本に書かれていたことの中で,この1週間で特に有効だったメソッドを挙げていきます。

  1. 達成すべき目標を1つに絞り込んで明確にしたこと。私の場合は,他にもいろいろ達成したい目標はありますが,目下の小目標である論文執筆にフォーカスしました。目標を絞り込んだおかげで余裕が生まれ,客観的かつ冷静に取り組めたのがよかったのだと思います。
  2. 目標達成を妨げる自己に「惰丸(ダマル)」と名付け,「仮想敵」としたこと。これが一番効果あったかもしれません。自己を責める心情ではなく,外敵をやっつけるのだという心情になることによって,そうとう気持ちが楽になりました。
  3. 「惰丸(ダマル)」が現れる状況はどんな時か,日々振り返ったこと。これによって,目標達成を妨げる原因を特定し,具体的な対応策を考えることが可能になりました。
  4. 「惰丸(ダマル)」に負けそうになった時に,深呼吸したあと小さなタスクから取り組みなおしたこと。目標達成をおろそかにする衝動的な気分になってしまうことは日々の活動の中で頻繁に起こりえますが,深呼吸すると意欲が生まれます。また小さなタスクから取り組むとペースを取り戻しやすくなります。
  5. 極度に疲労しないように調整したこと。体力・気力が削がれると意欲も極端に落ちます。

惰丸(ダマル)日記の第1章は終わりましたが,論文はまだまだ書かなければならないですし,ほかにもやるべきこと,やめるべきこと,意志を貫きたいことはたくさんあります。この本に書かれているメソッドが無意識の習慣になるまで,惰丸(ダマル)日記を続けていきたいと思います。

惰丸(ダマル)日記 第1回

「スタンフォードの自分を変える教室」を読んで実践していく過程を記録しようと思います。

直近の最大の目標は「論文誌に乗るレベルの論文を投稿しまくる」です。お恥ずかしい話ですが,このまま論文の業績を出さないと大学教員でいつづけることができなくなってしまうのです。

第1章によると,対立する2つの自己(賢い自分,衝動的な自分)を意識し,衝動的な自分の方にあだ名をつけるのが有効なのだそうです。

さっそく妻が命名しました。「惰丸(ダマル)」です。怠惰,無駄の象徴です。そう,ことごとく惰丸(ダマル)のせいで,論文が投稿できないのです。私が,レールの上を猛スピードで疾走している時に,惰丸(ダマル)がコッソリポイントを切り替えるので,私が走るべきレールを見失うのですw

惰丸(ダマル)日記 第2回

論文を書くか書かないかを「選択した瞬間」を振り返ると,自己コントロールを強化できるのだとか。

昨日は午前中に論文を書く予定だったのだけど,急遽,子を病院に連れて行く必要が出てしまったので予定が狂ってしまいました(幸い,子の病気は大したことありませんでした)。子がいるとどうしてもイレギュラーなことが起こってしまいますね。

そこで,夜に論文を書こうと思ったのですが,子の寝付かせをしたら自分も寝てしまいました。惰丸(ダマル)発動ですね。今思えば,寝付かせを妻にお願いするべきでした。

今,目が醒めたのですがかなりボンヤリしているので,起きて論文を書き始めるか,もう一度寝てスッキリした頭で論文に取り組むべきか,悩ましいところです。

とりあえず,まとまった時間,PCに向かって作業することが大事なので,たとえば Facebook はスキマ時間だけチェックすることにしようかな。(そういうわけで,スミマセン,レスポンス悪くなります)

惰丸(ダマル),なかなか手ごわい。。。

すぐに寝付けないようなので,単純作業だけでも論文を進めておこう。

だんだん快調になってきて,良い感じで書き進みました。

惰丸(ダマル)日記 第3回

昨日の後半はすっかり惰丸(ダマル)にやられてしまいました。未明に起きたので論文を書き進めたのですが,頑張りすぎた反動で昼からはあまり進められませんでした。できなかった原因は,雑用が多かったこと,そして何と言っても体力的にきつかったことでした。そのため夜はこんこんと寝てしまいました。 稲見さんの心配があたってしまいました。

「スタンフォードの自分を変える教室」の目次の第3章に「疲れ」の話が載っているので,そのうち実践しようと思います。

さて,第1章の最後に瞑想の話が書いてありました。瞑想の効果については学生時代に剣道をしていたので経験していましたが,「瞑想が下手な方が効果が上がる」のは知りませんでした。さっそくやってみます。久しぶりにやってみて,集中力を研ぎ澄ますのに役立つことは実感しました。が,5分がとても長く,とても耐えられませんでした。また,子が居る中ではなかなか厳しいですね。でも続けていこうと思います。

惰丸(ダマル)日記 第4回
昨日は博多でとても楽しみにしていたイベントがありましたが,論文を書き進めなければならないので,午前中に諸準備をしていました。
博多に行ってから合間の時間に論文を書こうとも思っていましたが,イベント前は移動と食事で時間がつぶれ,イベント後は興奮と酒の余韻に浸っていて,できませんでした。

その分を取り戻そうと,今朝は惰眠をむさぼりたいとも欲求に駆られたのですが,惰丸(ダマル)に負けてはならんと発奮し,集中して論文を書きました。そのおかげで論文前半のハイライトの最も主要な部分が書けました。昨日午前中の準備が生きて,今朝ははかどりました。よしよし。

「スタンフォードの自分を変える教室」のメソッドは,本当に理にかなっているなぁ。

惰丸(ダマル)日記 第5回
今日は妻の実家で夕食だったのですが,あまりに長居したので,論文執筆に焦るあまり帰りに,つい妻に激昂して八つ当たりしてしまいました。本当にゴメンナサイ。そもそも締め切り直前になって書き始める私が悪いよね。。。

さて,私は論文を書くことそのものも億劫ですし,英語は苦手意識があってついつい後回しにしてしまいます。今回の論文は苦手な英語なのですが,しばらく書いて慣れ始めると,実は英語で論文を書くことそのものはそれほど嫌いではないことを発見しました。自分の教育研究の成果を英語で書くと,なんかこう,思考が整理されるのです。「あぁ,自分はこういうことをやってきたのね」と気づかされることが多々あります。今書いている論文を書き終えても,この感触を忘れないうちに,次の論文を書こうっと。

たぶん,私が論文嫌いなのは,査読とか発表後の質疑応答とかなんだろうなぁ。

※同僚の先生が熱いコメントを寄せてくれました。

惰丸(ダマル)日記 第6回

3連休最終日。妻が1日じゅう子を連れて実家や外に遊びに行ってくれる計らいのおかげで,論文執筆にまる1日専念できました。ずっと集中して取り組んだので,手を焼いた執筆中の英語論文も残すところ3項目を書けばひと通り書き終わりです。ようやく終りが見えました。妻に感謝です。

今朝,思い立って Facebook の設定を大きく変えました。「親しい友達」に気になる人を入れておくと,その人がなにか書くと「お知らせ」に表示されるという機能があり,私はそれをフル活用してチェックしていたのですが,思い切って全削除してみました。今まで「お知らせ」が気になってついついチェックしてしまっていましたが,この習慣を断つ効果が期待できます。その代わり,みなさまへのフォローが行き届かなくなるわけですが,ご容赦いただければと思います。今年は論文を含む実質的なアウトプットを行うことで成果を還元していきたいと思います。

惰丸(ダマル)日記 第7回

ついに目下の懸念であり目標だった英論文1編をひと通り書き終えました。「スタンフォードの自分を変える教室」にしたがい「惰丸(ダマル)」を仮想敵として論文執筆に取り組んで1週間になりますが,まずは当初の目標を達成したといっていいのではないかと思います。

総括をする前にここ数日での取り組みを書き残しておきます。
昨日1月15日ですが,午前中は少しの時間ではありましたが,論文執筆に取り組むことができました。しかしその後モチベーションが下がるような出来事がありました。そのせいで午後はゼミを回すだけで一杯一杯で論文執筆どころではありませんでした。

「スタンフォードの自分を変える教室」にも,意欲・気力が削がれたり疲労したりすると,目標達成に向けた日々の活動に取り組まなくなってしまうことが多いと書かれています。たしかにそのとおりです。

そこで,昨晩は体力回復に全力を注ぎました。おかげで,今日は朝から意欲的に論文執筆に取り組みことができ,ついに達成できた次第です。

2013年1月10日木曜日

ソフトウェア工学実践研究において「巨人の肩に乗る」ということ

私の友達の,あるソフトウェア工学実践研究者の方が,次のようにボヤいていました。
(自分が考案したアイデアについて文献を調べていくと似たような技術がすでに提案されている状況に対し) こういうことの繰り返しなので、オリジナルの方法論を作るのは無理なんじゃ無かろうかと思う次第。
https://twitter.com/mkoszk/status/288920530625638400

このかたは実践経験豊富な実力あるソフトウェア工学実践研究者だと私は思っているのですが,そういう方でもこういうことを思うのだなと興味深く思いました。

もちろん私自身もこういう経験あります。修士論文を書く時に,一生懸命プログラムをいじりながら自分で考えていって,いざ論文を書こうという段階で関連研究調査を始めたところで既に類似の研究があることを見つけたときの無力感。

ちなみに私は研究者としては半端者なので,いまだにこの手の過ちを繰り返しています。なんて進歩がないのだろうか(苦笑)

さて本題です。真のソフトウェア工学者は,こういうとき「巨人の肩に乗る」アプローチを取るものです。「巨人の肩に乗る」ことで常人は自分の背丈以上に遠くを見渡すことができます。「巨人の肩に乗る」でいうところの巨人とは,既存の膨大な研究資産のことを指す比喩です。既存研究資産に乗っかる形で自分の研究を書くことで,その研究が既存研究資産を活用して大きな仕事を行うことができるということを意味しています。

私が修士論文を書いた後の話をしましょう。恥ずかしながら修士論文発表会では散々でした。だって,類似の研究があって,それに対する自分の研究のオリジナリティがどこにあるのかを明示できなかったのですから。でも,転んでもタダでは起きませんでした。発表会が終わった後,猛勉強して研究論文を読みあさり,ついに自分の研究のオリジナリティがどこにあったのかを見出すことができました。それだけでなく,そのオリジナリティの部分をきちんと実現するとどんな可能性がひらけるのか,展望を見出すことができました。そのアイデアを発表会を聞いた周囲の先生方に話したところ「それなら行けるかもしれない」とようやく認めてもらうことができました。そのアイデアを元に学会に論文を投稿することになります。

「巨人の肩に乗る」とは,つまり,こういうことなのです。まずとにかく,自分が思いついたアイデアが,世界の中でどういう位置づけにあるのかを明確にする。そのためには自分のアイデアに関連する研究論文を,とにかく読み漁る。そういうことをすると,真にオリジナルの部分は,ごくごく小さいかもしれない。「自分のしたことは,こんなちっぽけなことなのか」と悲嘆するかもしれない。
でも,むしろそれでいいのです。そこが問題なのではないのです。問題は,その小さな貢献によって,どんな価値が生み出されるか,なのです。「第1章はじめに」で書くべきことですね。




思えば,私は巨人の肩に乗ることが生来的には下手なのだろうと思います。だって,人の話を聞いたり文献を地道に調べたりするよりも,自分で一からアイデアを考えて妄想するほうが好きなんだもの。

こういうタイプの人でも,やりかた次第で巨人の肩に乗ることはできます。

  1. 先に自分のアイデアをひと通り書く。
  2. その中で重要そうなキーワードを抽出し,それを元に文献を探す。あるいは,アイデアを指導教員など先行する研究者に話し,何を探したらいいかキーワードを尋ねる。
  3. 文献を読み漁る。最初に書いた自分のアイデアを適宜書き換える。ただし,主旨を曲げないように! 新たに思いついたアイデアがあったら足してもいい。
  4. 自分のオリジナリティを抽出する。いくつかの構成要素に分解できるかもしれないので,それに合わせて論文や章立てを分割する必要があるかを検討する。
アイデア先行型の人は,こんな感じで研究を進めるといいですよ。

2013年1月9日水曜日

「予習・復習」の授業設計



http://www.shidaikyo.or.jp/riihe/research/arcadia/0498.html
「学校に於ける1時間の講義のことしか考えず、(学生の)自発的研究時間である後の2時間のことは全然念頭にない。したがって、1時間の講義をさらに2時間の学生の自発的活動で如何にして補わしめるための工夫、努力もなされず、またそのための新しい教授法の研究にもほとんど手がそめられていない。」(大學基準協会、1951、26頁一部、漢字を簡体字に改めた) 
日本私立大学協会 アルカディア学報 No.498「突き当った深層 大学改革は新しい段階に」 (客員研究員 金子元久 筑波大学大学研究センター教授)より



文部科学省が諸外国にならって定めているのですが,講義1時間に対し予習・復習を2時間することになっています。しかし日本の大学の実態としては形骸化していることが多いのではないでしょうか。その理由の1つに,引用した部分に書かれている「予習・復習=学生の自発的研究時間」を考慮した工夫をしていないということが挙げられます。

私は最近になってようやく「学生の自発的研究時間」の2時間のことを考えられるようになりました。でもそれは,研究や教育について経験を積んだこと,インストラクショナル・デザインを学んだこと,教育の実践と試行錯誤を繰り返したことによってようやく獲得できた技能のように思います。とても研究の片手間に1人で出来ることではないと私は考えます。

やはり,1人で研究と教育の両方をすべて考える現行の体制に無理があるように思います。諸外国で取り組まれているような,たとえば,研究の専門家と教育の専門家が手を携えて高等教育を形成していく,このような仕組みでないと抜本的な改善はできないのではないでしょうか。

さて,私が試みている「予習・復習の授業設計」について少しお話しします。ポイントは4つあります。

  1. 1回の授業で何を学ばせたいのか,学習目標を明確にする。
  2. 学習目標を達成させるために必要が学習課題を洗い出す,課題分析を行う。
  3. 課題を学習するための自習教材を準備する。
  4. 自習教材は,他人が作った教材を積極的に再利用する。どうしても必要な教材だけ自作する。

1〜3 については教材設計マニュアルに実践的な方法が詳細に書かれていますので,そちらを参照して実践と試行錯誤を繰り返してください。
4の教材の再利用は,とても重要なことですが,意外と難しいと個人的には思います。普段から教材についての情報収集を怠らないことも必要ですし,何より教材の良し悪しを短時間で見極める目が要求されます。教材の良し悪しを見極めるには,インストラクショナル・デザインに基づいて自分でいくつも教材を開発しないとなかなか身につかないと実感しています。

上記の1〜4ができるようになると,自ずと効果的な予習復習教材を準備できます。ここまでくれば,はやりの反転授業まで,あと一息です。

それで最初の主張に戻るのですが,やっぱり研究の片手間に教育はできないよね,と思います。教育の片手間に研究もできませんし。そういうわけで,私は一緒に研究と教育に取り組むパートナーを求めています。興味のある方は右下の MessageLeaf へどうぞ。


2013年1月7日月曜日

ワークシフト

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ワークシフトを一気に読み終えました。


ワーク・シフト (孤独と貧困から自由になる働き方の未来図<2025>) (Kindle)


ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉 (紙書籍)

この本は,基本的ではあるが本質的に時代の潮流を捉えている特性をテクノロジーの進化,グローバル化の進展,人口構成の変化と高寿命化,社会の変化,エネルギー・環境問題の深刻化の5つの観点で網羅的に取り上げています。また,それらの特性によって導かれる未来のワークスタイルを(明るい見通しだけでなく暗い見通しも含めて)論理的に洞察し,詳細かつ具体的に描写しています。

この本は私にとって大きな意外性はなかったのですが,社会に対する分析を整理し,自分自身の方向性を確認する上でとても有用でした。

私の今のワークスタイルは,この書籍で紹介されている「主体的に築く未来の明るい日々」の3つのワークスタイルそれぞれの主要な要素を含んでいる,けっこう先を行った働きかたなのだなぁと実感しました。

社会に対する知識や経験に乏しい学生たちには,とくにオススメできます。

2013/1/13 追記:
この本「ワークシフト」には未来の働き方について「正解」は書かれていません。読者が自分の業界に当てはめて考察する材料を提供しているのだと私は思います。

目次
  • 働きかたの未来は今日始まる
  • 働き方の未来を予測する
  • なにが働き方の未来を変えるのか
    • 未来を形作る5つの要因
  • 「漫然と迎える未来」の暗い現実
    • いつも時間に追われ続ける未来
    • 孤独にさいなまれる未来
    • 繁栄から締め出される未来
  • 「主体的に築く未来」の明るい日々
    • コ・クリエーションの未来
    • 積極的に社会と関わる未来
    • ミニ起業家が活躍する未来
  • 働き方を<シフト>する
    • 第1のシフト: ゼネラリストから「連続スペシャリスト」へ
    • 第2のシフト: 孤独な競争から「協力して起こすイノベーション」へ
    • 第3のシフト: 大量消費から「情熱を傾けられる経験」へ
  • 未来のために知っておくべきこと

2013年1月5日土曜日

ブログリニューアル: 2013年の抱負

2013年の新たな年を迎えて,ブログをリニューアルしました。ただ見た目が変わっただけでなく,タイトルも「ソフトウェア教育研究室: Software Education Laboratory」に変えました。Engineering を Education にしたわけです。

これは,ライフワークとして本格的にソフトウェア教育に取り組む決意をしたことをブログでも表明しようということです。(Facebook では既に何度もつぶやいていましたが)


ライフワークとして取り組むためには,適切なマイルストーンの設定が重要です。そこで,2013年のマイルストーンを次のように設定しました。


  1. 研究活動: 2013年は論文誌にたくさん投稿します。自ら手がけている教育実践を論文化するだけでなく,学生が取り組んだ卒業論文・修士論文の中からも論文誌に投稿したいと思います。
  2. 教育活動: 教育の改善活動は引き続き行いますが,論文化を意識して計画的に行おうと思います。まず,きちんと分析を行なって改善すべき点を明確にします。次に,改善効果を評価できる体制を整えます。無計画に改善活動を行なって論文化が思うように進まない状態から脱します。
  3. 組織活動,地域貢献活動: 今までの有形・無形の資産を元に,学生たち,同僚の先生たち,技術者のみなさん,地域のみなさんに,これまで以上に貢献していきたいと思います。税金を使っているのですから,成果を還元するのは当然です。
心のなかで,それぞれについて定量的な到達目標を設定していますが,それは表明しないことにします。